藤本館長・内定者と語る!就活QA座談会
就活に漠然とした不安を抱いている…。
私の準備、これで合っている?ギモンを誰にも相談できない…。
そんな悩みを抱える学生の声を多く受け、我究館5代目館長である藤本氏(以降 藤本館長)とこれから就職をめざす学生、さらには内定者も加わった座談会を実施しました。(2023年8月実施)
学生の悩みに内定者の立場から回答!さらに藤本館長から内定者への鋭い質問により、就活や就活準備に関する行動の本質を探ります!
座談会参加者
-
- 藤本健司 氏
- 絶対内定シリーズ著者。
我究館館長。
外資系投資銀行、総合商社、広告代理店など、難関企業に多数の内定実績がある。
-
- Aさん
- 内定者
首都圏私立大 文系
内定先:メガベンチャー
-
- Kさん
- 内定者
首都圏私立大 理系
内定先:総合商社、デベロッパー
-
- Hさん
- 首都圏国立大
院1年生 理系
志望業界:製薬業界
-
- Tさん
- 首都圏私立大
3年生 文系
志望業界:デベロッパー、金融、IT
-
- Iさん
- 首都圏私立大
3年生 文系
志望業界:デベロッパー
エントリーシート(ES)編
- Q-1≪ESにどれくらい時間をかけていますか?≫
-
-
僕はガクチカは全部毎回書き直していたので結構時間をかけていました。
インターンの簡単なES作成だと1社で2~3時間。本選考の本命企業、志望動機をがっつり練る必要がある企業は1日以上かけてやってたかな。
-
自分は少し特殊で、夏インターンに最初に参加したのは3年生の4月。
留学生であり学部の授業も全て英語で、日本語で文章を書いたことがほとんどなかったため、頻出ポイントを押さえた汎用的ESを集中して作成したイメージです。誰が読んでもわかりやすく、かつロジック的に絶対ズレがないようなESを1週間でみっちり書きこんで、あとは1年間使いまわし!あとから新しい志望動機が生まれたらホームページなどを確認して随時情報を集めて、あまりESに時間はかけなかったですね。
-
- Q-2≪本命企業とそうでない企業、ESにかける時間は差をつける?≫
-
-
本命の企業はもちろん結構時間をかけるけど、本命でない企業はどうなんだろう。
あまり時間をかけないほうがいいの?
-
まず内定の有無によって変わってくるかな?
もしくは冬インターンの所感である程度の見通しが立っているなら本命集中でいいかなと思う。
ただ、「本命でない」かつ「ESが重たすぎる」企業は優先度を下げることはよくあったかな。
-
とはいえ、その判断をするためには(採用広報解禁の)3月を迎えるまでの自分の状況(内定、入社希望のめど)がどういうものなのかがとても大切。3月には膨大な量のES締切が来るからね…。
もしくは冬インターンの所感である程度の見通しが立っているなら本命集中でいいかなと思う。
-
企業研究・業界研究編
- Q-1≪興味がない企業には手を伸ばしにくいです…≫
-
-
マッチングのためにはいろいろと参加して試してみることが大事だというお話ですが、自分はそういうのがあまり向いていないというか、興味がない業界にはなかなか気持ちがむかなくて…。
やらなきゃいけないと思っていますが、挑戦してみてもエントリーシートの内容が浅くなってしまいます。
-
就職活動に対するマインドセットとして、「興味がない業界」とくくることがまず違うかなと思います。
就職後、他社へ話を聞くためには、まずアポイントを取る、名刺を交換する、相手へのメリットを提示してやっと話してくれるというのが基本だと思っていて…。でも就活生は違って、「今就活生だから」という一言だけで自分の経歴や、人生を通しての話などたくさん話してくれるので、今はめちゃめちゃ貴重な機会です!
-
「内定を取りに行く」ことにフォーカスしているかもしれないけれど、就活は自分を納得した道に進めるための準備だから。
「興味ない業界はあまり行けない」「自分が納得してから動きたい」と言っているのは基本的には悪手だと思う。そういうマインドセットの方が、自身の行動力、行動量につながると思うよ。
-
自己分析をする上でのヒントとしては、好きなことや興味があることにばかりみんなフォーカスするけど、「嫌いな人」とか「めちゃめちゃ怒られたこと」とか「ニュース見てこれ許せないなと思ったこと」の方が、自分の絶対守りたい信念が見えてくるんですよね。
好きなことや許せることはいっぱいあるけど許せないことは少ないから、マイナスの部分から自己分析をして自分の信念にたどり着くのもありかなと思います。
-
- Q-2≪幅広く見ろ!とはいうけど業界ジャンル、どのあたりで妥協しますか?≫
-
-
お二人ともかなり幅広い業界や企業を研究されてきて、行動量も多いですよね。
もちろん、可能なら全部の企業、業界を見たほうがいいんだろうけど、かなり負担も大きいと思います。そういうときって、どう妥協していましたか?
-
僕はめちゃめちゃミーハーだったので、人気企業、人気業界!
IT、コンサル、メーカー、商社、デベロッパー、金融みたいなところをとりあえず説明会に参加してみました。ヘルスケア、製薬も広げようかなと思っていたけど、機会がなくて…まぁそれも自分の人生に関わらないのかなと思って受けなかったかな。
-
- Q-3≪OB訪問って具体的にどうやったらいいの?≫
-
-
僕も、OB訪問をやっていこうかなと思うんですが…
明確にどんなことを聞けばいいのかなって…
-
OK!
じゃあまずOB訪問するときは、メールやアポイントの段階で質問事項を送ると思うんだけど、当日はこんな話がしたいと思っています。
会社について 項目① 項目② 項目③ … 書いた後に、就活についても相談したいと思っていますと書く。
自分史だったり、ESを送って、これに基づいた志望動機をご相談させていただければと事前準備をしておくと、相手もそれを分かって対応してくれます。
-
当日は、まず相手の経歴から企業の話・仕事の話をしっかり聞き出すこと。
そのあと相手の就活の時の話を聞いてみて、だんだん就活準備の方に話をシフトしていく。するとだんだんと相手もこっちに質問してくるようになって面接で聞かれるようなことを聞いてくれるようになってきます。
こういうふうにOB訪問をデザインできればいいけど、やっぱりこういうのは慣れとか場数が大切だから最初はここまで気にせずに言ってみることが大切。
-
自分史とかES送ってたんですね!
-
送った!
-
ちなみに何人くらい会ったの?
-
人数は少なくて、各社3人~5人くらい会いました。
-
回数は多いの?
-
そうですね。
ES添削を後からお願いしたりして、1人に2回お願いしたりとかしてました。
-
- Q-4≪OB訪問する相手はどうやってコンタクトをとるの?≫
-
-
どういう人にコンタクトをとったんですか?繋がるきっかけとか!
-
OB訪問の訪問先を探す方法は4つあって。
①OB訪問ができるサービスのあるサイトを利用する
②大学の就職支援の公式の資料を借りる
③SNS④説明会やインターンシップに最後まで残って、社員さんを捕まえて連絡先をもらう
Zoomとかでも最後まで残って「実は…」と相談しました。
-
ははは!それは確かにそうだね!
-
だってめんどくさいじゃないですか!
だからそこでやっちゃった方がね。
-
僕も説明会とか参加してOB訪問させてくださいってお願いするんですけど、結構大手企業になればなるほど公式に受付ていないって言われるんですけどその場合は?
-
人事の人に聞くとどうしてもそう言われちゃうから、
現場の社員でたまたま登壇している人とかを捕まえるといいよ。
-
わかりました、試してみます!ありがとうございます!
-
- Q-5≪企業の意思決定の早さはどこで見分けた?≫
-
-
意思決定のしやすさ、早さは企業のどこをみて判断したんですか?
-
実際にインターンに参加して、GWで社員さんがどういう立場で私たちの議論に入るのかを見たり、フィードバックで見ているところが結構企業によって異なっているんです。
大企業はグループの輪や雰囲気が評価ポイントに入ってしまうことも多かったですが、それが評価軸に入ると意味がないなと私は思っています。
議論の場は、みんなが良いアウトプットをするためであり、意見がぶつかることも有意義なことだと考えています。ベンチャー企業の評価はそこが違っていて、そう判断しました。
-
自己分析編
- Q-1≪未来の自分の姿はどう深掘りするの?≫
-
-
過去の自分を深掘りするのはもちろん大切だと思いますが、将来どうなりたいかってなかなか深掘りができなくて、曖昧なまま進んでしまっている感じです。
どうやって分析されてましたか?
-
僕は、実は未来はあんまり大事にしてなくて(笑)
というのも、過去向きの自己分析をすごくしていたので、今までの人格形成から自身が今持っている信念、この信念を活かしながら仕事をしたいなと思っていました。
この1本軸をもとに、具体的にどういう仕事がしたいと伝えるのではなく、「自身の信念を曲げないように仕事をしたい」という程度で考えていましたね。
とはいえ、面接ではやはり答えが求められるので、その軸は揺るぎないけれども、自身の専攻分野をもとにそれに派生した事業や仕事をしたい程度の粒度で、内定後のマッチング面談でも返答してますね。
-
私も、未来に対しては決めてしまう方が逆に怖いなと思ってます。
面接でもキャリアパスは良く聞かれるけれど、かなり抽象度を上げて、3年後・5年後とかだいたいこういう仕事がやりたい、こういう人間になりたいくらいにしか提示しなかったですね。内定先の最終面接の際に、配属先が希望の事業とは限らないといわれたけど、私としては自分が興味が向かないことに対峙できることがありがたいと感じていました。
-
今の話の中で、多くの学生が意思決定をすることに悩んでいるんだろうなと思ってるんだよね。
意思決定のプロセスは大きく2つあると思っていて、①どの業界や企業を受けるんだろうということと、②最終的にどこの企業に行くんだろうなということ。KさんとAさんがその2つの意思決定をできた最大の要因はどこだったんでしょうか。(意思決定編 Q-2,3へ続く)
-
- Q-2≪自分の信念、企業とどう答え合わせするの?≫
-
-
さっき話にあった自分の信念ってどう答え合わせするんですか?
自分の信念と企業の理念や価値観ってどこでマッチしたってわかるものですか?
-
うん。採点結果が返ってくるのはやっぱり内定。
それまでを模試として考えると、OB訪問とインターンシップでの受け答え、インターンシップのワークを通じてどの部分が評価されたのかが1社でも見られるとその業界全体が分かる。
-
OB訪問って目的が2つくらいあって、①業界理解・社風理解というところと、②就活の相談。
就活の相談って言うのは、自分自身の志望動機や自己分析をぶつけてみて、それが会社やその人にどう映っているのかを確認していく。
自分の志望動機を実際の社会人が聞いてどう映るのか、その業界で働いている人が聞いてどう映るのかが重要だと思うから、先輩とか就活慣れている人よりも現場の人に見てもらう方がいいと思うよ。
-
分かりました。僕も、OB訪問をやっていこうかなと思うんですが…
明確にどんなことを聞けばいいのかなって…(企業研究・業界研究編 Q-3へ続く)
-
- Q-3≪自分がベンチャー企業に向いていると思ったのはなぜ?≫
-
-
ベンチャー企業が合うなって思ったのはなぜですか?
-
意思決定が早い。
自分は年収や福利厚生に余り興味がなく、最終的には一番自分が興味がない企業に飛び込む選択をしました。
自国では金融系の学校に通っていて、8割は就職できる見通しが立っているのが、私には面白くなかった。自分の未来が決められたなと思ってしまって嫌でした。
-
就活をして、第一志望の企業に内定をもらえたものの、そのタイミングで本当にこのままでいいのかと疑問に思いました。「これが好きだから、これを仕事にする」これでいいのかな?と思った時点でもっと不安が出てきてしまいました。
だからもっと興味がないところを見て自分の可能性を広げたほうがいいなとなったところで、ベンチャーの可能性が見えました。
大手企業より個人が動きやすいのではと思ったり、大手企業のインターンのワークで実施する議論内容が個人的には無意味に感じてしまった。
自分にとって時間が金銭より大事だと思っていて、人の時間を無駄にすることは命の無駄だと感じているので、ベンチャー企業の意思決定の早さが自分に合っていると感じました。
-
今の話だと、意思決定の早さというより、自分が意思決定のしやすい環境であるから?と感じましたが…。
-
まず自分に意思決定をする能力があるかどうかということ。
次に自分の意思決定が本当にあっているかどうかということ。
この2つを社内で合理的に考え判断し、また会社としての考えを出し決定を下す、このフローが早いと業界研究を通じて感じました。
-
あ、そういうことなんですね!
-
あってる、あってないって就活をしている人にとって、何があってて、何があってないのかは悩みどころですよね。
自分の中でどういう基準だったんだろう、なぜそれを自分の中で言語化できた?(自己分析 Q-4に続く)
-
- Q-4≪自分にあっている、あっていないの判断はどういう基準?≫
-
-
あってる、あってないって就活をしている人にとって、何があってて、何があってないのかは悩みどころですよね。
自分の中でどういう基準だったんだろう、なぜそれを自分の中で言語化できた?
-
判断軸は2つ、内向きと外向きがあります。
内向きは、自己分析を通して、自分がどういうふうな行動をとってきたのかを振り返って、なぜそういう行動をとって来たのか?を考えました。
自分自身の人を動かす力が好きなんだという結論に至り、そういう仕事を探して向いているのではと考えました。
-
もう1つは経験をたくさん積むこと。(OB訪問、インターンシップ、面接、選考など)
全く興味がないITや損保を受けました。
それはなぜかというと、まったく興味がなかったからです。
じゃあなんでこんなに興味がないのか、その理由を言語化するために参加しました。
特に大手企業であれば従業員数も多く、多種多様な人材が揃っていると思っていました。だからこそ、そこで見つかる嫌なこと、自分の業界や企業に対する不満などを探して、人は魅力的だけれど考え方や仕事への熱意などの違いをきちんと言語化できるようにしました。
この2つを一緒にやることで、納得できる就活ができたと思うし、志望企業に内定をもらうための説得力にもつながったと考えています。
-
自己分析を通じて、自分が不安を感じたとか、これが面白くないなと感じた自分だけの軸になりますね。どうやってこの軸を見つけたかというと、「未来から逆算すること」と「俯瞰してみること」。
5年後、10年後にどんな人になりたいかを考えて、じゃあ今の自分はどんな人なのかを考える。その間のギャップを埋めるために、どんなギャップがあるのかを具体化して、それを実現できる場所を探していく感じです。
全部実現できるものもあれば、条件が足りていないものももちろんありました。
-
あとはKさんと同様に、場を踏むということですね。
面接は企業が就活生を面接しているけれど、就活生も企業を面接していると思っています。
面接官が私の質問に対して、本当に私が求めている答えを返してくれるのかを確認します。この条件が全て揃えば、入社しても大丈夫かなと判断してましたね。
-
必勝法みたいな文脈で言うと、「受動」から「能動」へとよく言ってます。
二人の話はまさにそれで、欲しいものを自分から取りに行くスタンスがとても大事かなと思っています。これは社会人も同じです。なりたい姿を明確にして、それに比べて今の自分の状況を分析して達成するためのプロセスを描いていくといいですね。
-
あと二人に共通しているのは圧倒的に行動量が担保されているということ。
またそれを楽しんでいるということがすごいね。
能動的であるからこそだけれど、Aさんの企業の人を試すようなこともとても大事なことだと思います。選ばれる側だというスタンスではなく、一緒に何かをする仲間をお互いに探す場所だから、そこに自分の意思がないとコミュニケーションが十分取れませんね。
-
意思決定・マインドセット編
- Q-1 ≪日々どんなマインドセットで活動しているの?≫
-
-
お話を聞いていると、皆さんかなりチャレンジングな方だなと思ったんですが、
どんなマインドセットを持ちながら日々生きているのかなって…。
-
マジでたいした人間じゃないんで!
多分Aさんは仕事と生活が一体化していると思うんだけど、僕は完全に金を稼ぐことと思っているタイプ。
アルバイトも適当にやるし、手抜くところは手抜いて、でもやらなきゃいけないことはあって、起業とかいろいろ選択肢はあっても自分は凡人だから就活を頑張った、そんな感じかな。なんか高尚な気持ちをもって就活してたわけではないよ(笑)
-
ほんとに自分はいろいろやってて、最近だと経営している企業(大学在学中に起業)で商品開発とかやってるんですけど。
開発から販売まで全部自分でやると、こんなにいろいろやってるんだということが分かって楽しんでる。
仕事を楽しむというか、楽しいから仕事している。仕事=遊びだなって思います。
Kさんがおっしゃる通りで、一体化しているかなと思います。楽しいからこの仕事をやっている。楽しくない、面白くないと思ったらやめる、そんな感じ。人生で死ぬまでにどのくらい楽しめたら勝ちかってところあります。
-
Kさんはメリハリの付け方が上手なんだね。
自分の中でどうやってメリハリをつけてる?
-
就活は比較的にリズムがあってメリハリがつけやすいかなって思います。
11月くらいから冬インターンの選考があり、12月で参加、3月はESラッシュがあって、4月5月は自己研鑽期としてOB訪問したり最終面接対策をしたりかな。
ゴールはないけどやるべきことは明確で、やるべきことをやる。
あとは、とにかく自分より頑張ってるやつを探す。無限にいるから、そういう存在を見つけて、そいつに負けないようにってやってましたね。
-
- Q-2≪意思決定の2つのプロセス「どこの企業を受ける」「最終的にどの企業に就職する」を選択できた要因はどこ?(Kさん編)≫
-
-
今の話の中で、多くの就活生が意思決定をすることに悩んでいるんだろうなと思ってんだよね。
意思決定のプロセスは大きく2つあると思っていて、①どの業界や企業を受けるんだろうということと、②最終的にどこの企業に行くんだろうなということ。
KさんとAさんがその2つの意思決定をできた最大の要因はどこだったんでしょうか。
-
まずスケジュールをおさらいすると、
2月いっぱいまでいろんな業界のインターンや説明会、OB訪問を受けた上で、ある程度の納得内定の見込みがある状態でした。これ以上の業界、企業はデベロッパーと総合商社しかないなと思い、3月以降はここに絞って受けました。
-
なぜ他の業界を候補から外したのかというと、2月いっぱいの時点である程度納得できるコンサル業界や設計職での内定の見込みがあったというのが理由です。
その内定を蹴ってでも行きたい企業かどうかというのが基準だったが、受ける予定だった企業は引き続き企業研究を継続し、面接も参加して基準に照らして常に考え続けて…、最後は自分の直感ですかね!
正直、年収の高いところに行くっていうのもあるけど、社員さんの様子とか、OB訪問しているときの会話のリズムとか。
突き詰めすぎるとみんな多分「縁」って言葉にたどり着くと勝手に思っているけど、このタイミングでの意思決定はあまり軸にとらわれすぎずに自分の直感を大事にしました。
-
「直感」と最終的には「縁」というのは本当にそうだなと思うし、これまで見てきた学生も最終的には「人で決める」というのが多かったね。
意地悪な質問かもしれないけど、「直感」をあえて言語化するとどうかな?
-
うーん…、「コミュニケーションスタイル」と「仕事に対する情熱」かな。
コミュニケーションスタイルでいうなら、
①とりあえずどう思うか言ってみて or ②自分は(現状は)こうなんだよね。あなたはどう思う?このスタイルの違いは、結構随所に現れていましたね。
あとは絶妙なコミュニケーションの取り方、自分の気持ちがいいものを察知したりとか。
-
もう1つは、仕事をしてどんな影響を与えるのかも大事だけど、なんで影響を与えたいのかというような、仕事に対する欲求や情熱の部分をすごく見てました。
そこが仕事に対するモチベーションにつながったり、この人の下で働きたいと思う先輩がいっぱいいるところを探したかな。
給料が良いから(この仕事をしている)といわれても、僕の心は動かない。
でもステークホルダーの人たち全員にいきわたるように、全員で何とか駆けずりまわって頑張ろうといわれると自分のやる気もすごく湧いてくる。
そういう話をしている社員さんが多いと、かっこいいなと思ってましたね。
-
この仕事していて思うのは、やはり「言語化する」というのは武器になるなということ。
物事を突き詰めていく中で、なんとなくな状態で終わるのか、なんで?なんで?を繰り返していく中で、みんなそれぞれのスタンスを突き詰められていることが大切ですね。
-
- Q-3≪意思決定の2つのプロセス「どこの企業を受ける」「最終的にどの企業に就職する」を選択できた要因はどこ?(Aさん編)≫
-
-
(まず受ける企業を決めることについて)
自分のモチベーションは知的好奇心であり、信念は無用の用。物事に対してこれが興味がないなと勝手に判断しちゃうと、実はその中に自分がちょっとでも興味を持てそうなことがあるかもしれない。だから本当にできる限り幅広く企業を見てきました。
スカウトが来た企業はあまり抵抗せず、とりあえず話を聞いたり受けたりして、興味がなくても知らなかった情報を得られる、それが自分のモチベーションになっていました。(どの企業に就職するかについて)
全て最終的には「人」なんですよね。自分はどの会社に対しても、この会社で最後まで働くという考えはあまりなかったです。とはいえ、短くても人生の中の一部の時間をこの人たちと共有して働くことになるので、今までの自分とその会社の社員さんが似ているなと感じたことは大きいです。
-
特に自分は子供の頃から人より少し変わっていて、所属感がない人間だと思っているので、最終的な決断までに内定先の企業担当者とは10名以上会ってたくさんお話しました。担当された面接官が、自分の興味がないところをやってみたいと考える自分と非常に似ていると感じました。
例えば、ゲームを全くしない人がゲームの部署に配属されて毎日ゲームをプレイする日々を過ごしていて、最終的にどういう結論が出ましたか?と聞くと、「まぁゲームってこういうものなんだなと知っただけ。」という返事でした。
その返答がまさに自分も知らないことに対してほしいものなんですよね。自分と違う世界を生きている人など、いろんな人の気持ちを知れることが、新しい自分の可能性につながるんだなと感じていました。まさにそれを追究している人がたくさんいるんだなと感じたことが、最終意思決定の要因ですね。
-
なるほどね。
多分みんなくらいの世代だと、転職ありきのキャリア形成なのかなと思っていて。
転職するときって、どういう風なイメージステップを考えていたりするの?
-
そうですね。
まず就職後の数年間はどう過ごすかは全く明確ではないですけど、次のポイントで何をやりたいのかをすごく明確にしていました。将来的に人々の購買行動が革新的に変化していく、その機会に自身が関わりたいと思っていて、特にどういうふうな消費のプロセスを生み出せるのかについて関わりたいと思っています。そのための土台作りに必要な項目を自分の中に挙げて、それを実現できる環境をさがしている。
企業で働くことは目的ではなくて、全ては自分の将来イメージを達成するための手段だと思っています。
-
面接編
- Q-1≪対面とオンラインで何か違いを感じていた?≫
-
-
そもそも対面とオンラインって何か違う?自分はこっちがやりやすいとか。
-
僕が受けていた業界では、1次・2次がオンライン、最終に行くと対面によばれることが多かったかな。
対面はオンラインに比べて、「ノンバーバルな部分」や「受け答えにおける若干の間」をより厳しく見られているんじゃないかなと感じた。聞かれた質問にバッと答えると、用意してきたものそのまま返しているだけに見られてしまう…とか。
あまりどちらがという苦手意識はなかったです。
-
どっちも好きです!
オンラインの良さで自分が本選考でやっていたのは、スライドでガクチカをプレゼンすること。
-
あ~なるほどね!
-
どういう質問が飛んでくるかいろいろと想定した上で準備して、オンラインの面接の最初から、「画面共有させていただけませんか」とお願いしてました。
-
それって面接のとき、当日ですよね?
-
そう!まぁ、グループ面接ではさすがにやらないですけど…。
個人面接では、画面共有をさせてもらって、20分くらいでガクチカなど自分がどんな人間なのかを説明しちゃおうと思って。
面接官が用意している質問に先に答えて、できるだけスムーズに逆質問への流れに移せるやりやすさがオンラインにはあったかな。
-
対面でいうと、本当にありのままの自分を出せるという点がすごくよかった。
スーツめっちゃ苦手で嫌なんで、パーカーにスニーカーで最終面接に参加しました。楽だった!
あとは対面だからこそ、考える時間をくださいといいやすいかな。
今まで考えたことがないような質問が飛んできて、心が折れるような感覚すらあって…。
対面だからこそ、「考えたことがないため2分ほど時間をください。」と正直に伝えられたと思います。
-
テクニック的な話でいうと、面接のときに必ず「1分時間をください。」という学生が実際にいました。
その理由は2つあって、1つは考えたことのない質問を考えるためなんですよね。
もう1つは、先ほど話もあったように慣れてくるとだいたいこういう流れになるだろうなと想定される。
そのもらった時間で、自分の面接のハイライトを俯瞰して考えて、この後どう着地させようかと整理しているんです。
対面の中で、「間」や「沈黙」は結構ビビってしまうことがあるけれど、大切なのはコミュニケーションなので、「その場で全部ちゃんとやらなきゃいけない」というそもそものマインド設定がずれている学生が多いですね。
-
- Q-2≪集団面接での誰からでもどうぞと言われた質問や逆質問ってどう対応するのがベスト?≫
-
-
僕は夏インターンで2回ほど対面を経験しましたが、
逆質問とか、誰からでも自由に答えていいですよって言われたときの順番というか、周りの引き出しを見てから答えたほうがいいのか、最初に答えたほうがいいのか、その判断が難しくて…。
-
逆質問で言うと、面接官に「経歴をお伺いしていいですか?」と聞くと、相手がバーッと喋ってくれるので、そこから興味があることをどんどん聞いていくのがいいかな。
面接官が自分を見ているように自分も会社を見る場所だから、逆質問でアピールしてやろうとか質問内容は意識せず気になることを聞いたほうがいいかな。
もちろん、相手の話を理解、称賛するなどのスキルはあったほうがいいけどね。
相手に気持ちよく話してもらってると情報が欲しい自分も気持ちよくなるから!
集団面接の回答順は別に思いついたら答えたらいいと思う。特に順番は重要じゃないかな。
-
集団面接で言うと、他の就活生のガクチカで面接官が深掘っていないところを自分が質問したこともあった。
-
ははは!ちなみにその意図は何?自分が知りたかったの?
-
ただ純粋に知りたいなって思って。
志望企業の面接で、面接官も全然どうぞって感じだったので。
他の人がしゃべっているときに自分も考えている、思考停止していないぞということを示すことが大切なので、自分にとってのメリットにもなったなと思う。
-
某企業でまさにそれがあったよね。
ある学生さんがしゃべって、そのあとに先ほどの学生さんのガクチカを要約してくださいって質問されたんだよね。
それって、自分のことしか考えていない状態だとできないし、自分のキャパはそれくらいしかないと示してしまうよね。
-
そうそう、だから集団面接では頷いてました。超頷いてた!
-
基本きちんと聞いていることが大切。
あと「共鳴すること」と「共感すること」も大切。
企業担当者が楽しいと思ってやっていることや強い思いを持って取り組んでいることに琴線が似ていると感じれば仲間になれるし、これが面接でお互いに共感できると強いね。
社会人訪問でも同じことが言えて、お互い共感できればお互いにメリットになるよね。
-
- Q-3≪リアクションが薄い面接官はどう乗り切る?≫
-
-
リアクションが薄い面接官っていますよね。
フレンドリーにしてくれる方もいるんですけど、尋問のような感じで冷や汗をかきながら返答するんですけど…。
そういうときってどういう対応していましたか?
-
まず面接官の気持ちを考えてました。これは面接もESも。
ESだと担当者が深夜遅くまで眠そうな顔しながらも読んでくれてるんだろうなと想像したり、
面接も朝9時~夜19時くらいまでずっと面接を続けて、本来の業務ではないのに自分たちの話を聞いてくれてるんだろうなという想像をして謙虚さを意識している。
基本的に自分は傲慢だし、自信家だから、そういう謙虚さは絶対持たないとなと思ってました。
不満そう、リアクションが薄いと疲れてるんだろうなと勝手に思って、絶対自分が笑わせてやろうと絶対笑顔を絶やさないでいると、想定通りの背景の面接官は結構笑ってくれたりしますね。
面接官が4人くらいいたら、たいてい2人はムスッとしてる人がいるから、これはこの担当なんだなと割り切って、この企業はこういう採用選考をしているんだなと考え方を変えて楽しんでました。
-
自分はどちらかというと逆かもしれないです。
相手の反応が薄いと自分の伝え方、ロジック的に伝わっていないかもと考えて。
再度考え構造化して、「言い直します。」と一旦自分から仕切り直します。
もう1つのパターンは、管理者レベルの面接官相手の面接の場合は、相手が追及してくるものと同じくらいの強さや勢いで言い返してました。
自分も起業している経営者でもあるので、対等という意識をもって、相手に深堀りされるように自分も相手を深堀りしてました。
-
なるほどね。
今の2人の返答でとても重要なことが、2人とも俯瞰しているんだよね。
学生と面接官の視点だけではなく、俯瞰した立場から物事を見れるかどうかは大切ですね。
あと負けん気みたいなもの、会社によってカラーはあるけれど、個人的にはとても大切だと思う。
建設的な議論をするためには、年次に関わらず若くてもきちんと考えられて自分の意見を持ち主張できることが大事だし、考えられる思考力があるよ、気概があるよというのを示すことはすごく大事かなと思う。
ただのイエスマンを集めたい会社ももちろんある。
とはいえ、採算性や生産性とかを考えると自立型社員であることは重要だね。
-
- Q-4≪負けん気・気概を示すとはいえ、強気にやりすぎるのもよくないのでは?≫
-
-
会社によると思うんですけど、
トップダウンの大手企業だったら上の指示をちゃんと聞いてくれるかっていうのが大事になってくるかと思うんですが…。
-
僕のマインドセットは、業界・事業・仕事の話は完全に向こうが上。
なぜかというと、自分はこの会社で働いたことがないし、向こうの方が絶対に経験値が上だから、そこはもう謙虚に受け取る。
だけど面接は自分の話をする。
世界で一番自分のことを知っているのは自分。Hさんは面接でHさんの話をする、つまりはHさんの話の中で一番上にいるのはHさん自身。
自分の話は一番自分が知っていると自信を持ちつつ、業界や事業については謙虚になるという姿勢がどの会社でも求められるし、面接に臨むマインドとして一番バランスが良くなると思う。
そのバランスを調整して志望企業に落としていくといいかな。
-
もー100点です!
-
ありがとうございます!
-
偉そうだな(笑)
-
腑に落ちました!
-
謙虚さのバランス感覚がいいなと思いますね。
新入社員って社内外の人とどういうコミュニケーションをとるかは絶対見られます。
特に自身のこれまでの経験から、総合商社の新入社員の方は本当にバランスがいいなと感じる。
賢さと謙虚さとパッションのバランスが非常にいいと感じることが多いですね。
-
- Q-5≪最終面接とこれまでの面接で意識的に変えたことってありますか?≫
-
-
最終面接はその人をとる(採用する)理由がないとだめかなと思っています。
1次・2次面接はネガティブチェック、ある程度喋れるか、ロジック、パッション、そこそこ志望度も高く、自己分析がしっかりできているかを見ていると思う。
ただ、最終は「自分」だから採用する理由、キャラ付けが必ず必要になってきますね。
22年間、24年間の人生全てをぶつけて、だから採用するという理由を言語化する場所。
だって最終面接まで来ているということは、優秀さとか、ロジックとか能力的な部分は意識しなくていい。
必要なのは「Kさん=???」
だから体育会は強いかな。
例えば10人くらいの面接をして、「誰取りますか?」って聞くと「じゃあラグビーの子」と返されるイメージ。
「ラグビーの子」というだけで共通認識がされてますよね。
-
ちなみにKさんはどういうトピックなの?
-
トピックで言うと、反抗期の経験からめっちゃ利他主義を学んで、それを挑戦精神に変えていったというエピソード人生を通して、ガクチカエピソード4つくらいも合わせて使って話したんですよね。
どんなラベリングかは分からないですけど、そんな感じで多分覚えててもらえたのかなと思ってます。
-
自分の中での最終面接は、自分にとっての会社の最終チェックだと思ってます。
最終面接で、御社のこういうところあまり興味がなかったですと正直に逆質問して相手の出方を見てました。
ベンチャー志望だったため、志望動機よりも自身の価値観の形成した全体観の方が重視されていて、
その価値観が合わないなら絶対入らないほうがいいなと思っていた。
だから最終面接は、自身も企業もお互いが最終意思確認をやっている場だと捉えていました。
-
ESを書く段階で、自分の「何を」「誰に」「どうアピールするのか」って言うのがあって、
この「何を」という部分が採用する理由という言葉まで整理できた状態でESを書いて、面接を受けるそのフローが踏めていることが大事だなと思う。
「自分のこと」と「企業のこと・仕事のこと」の理解がどれくらい進められるかというところで、
社会人訪問やインターンなどリアルにどれだけアクセス(接触)して、アウトプットのクオリティが上がっているかが非常に重要ですね。
-
座談会を終えてみて
-
- Hさん
- この場に参加できてよかった!
正直参加するまでは、ここまで議論が進むと思わず不安でした。今後の人生を変えるかもしれないと思った瞬間がたくさんあり、自分の心に響く言葉をたくさんもらいました。
-
- Tさん
- 貴重な機会をありがとうございました!
僕自身も見えてなかった、気づかなかった視点でのアドバイスをたくさんいただいて、自分自身すごく驚いています。自分の意思決定を疑い、これが本当に正しいのかをしっかりと考えながら、より思考のスピードを上げて就活を進めていきたいと思いました!
-
- Iさん
- 実は自分は今、中だるみみたいな状況でした。
しかし今回、自分とは対照的なチャレンジングな方々から話を聞けて、いい刺激になりました!就活との向き合い方や、面接での気持ちの持ちようなど、かっこいいなと感じました。本当にありがとうございました!
内定者からのメッセージ
- Kさん
-
就活でやって後悔したことはないけど、やらなくて後悔したことはあります。
なので、やらないといけないこと、やりたいなと思ったこと、全部やってください!(笑)
僕は就活を通して、自分自身のことがより好きになりました。
なぜかというと、納得ができるまで就活をしとおしたから。そしてその過程で、自分の魅力だったり欠点だったりを全部含めてこれまでの人生をまとめて、人に話せるレベルまで自分の中で落とし込めたからです。
就活は自分の人生を豊かにするための1つの時期ということで、真剣に、かつ楽しんでもらえればと思います。
- Aさん
-
伝えたいことは2つ。
1つ目は不安と思うことは当たり前。そう思わない方が疑問を持ったほうがいい。
不安に感じていることこそ、自分の未来に関して考えている証だからポジティブな意味で受け取ること!
2つ目はしっかり自分と向き合うこと。
自分も自己分析した際は、2度ほど泣いてしまうこともありました。実はこういう人間なんだ、自分は嫌なタイプの人間かもしれないと考えたときは本当に苦しかったです。
それでも今の自分の現状をしっかり把握したうえで、自分のことを好きなれました。自分がどういう人間になりたいのかがより分かるようになります。
藤本館長から
-
私がいつも我究館生に日々繰り返し言っていることがあります。
①採用の本質は「一緒に働きたい人を探している」である
②自分のことを、自分の言葉で、自信をもって語れるようになる
この2つは就職活動において大事な点です。
内定者の2人はたくさんの困難がありながらもそれらに対して、時に苦しみ、時に楽しみ、自分と深く向き合いながら、夢や理想に向けて行動し続け目標達成をしました。現役の就活生にとってはそのプロセスを通して、とても学びの多い時間だったと思います。
就職活動は自分で自分の未来を切り拓いていくプロセスです。不安は当然あると思いますが、成功も失敗もすべて受け入れながら、「自分は自分」と胸を張り一歩ずつ着実に前に進みましょう。
皆さんの未来が素晴らしいものになることを心から願っています。
※役職名はコンテンツ制作当時(2023年8月)のものです。
結構夏インターンのES作成に時間を割いてしまって、選考対策があまりできなかったと反省しています。
1社何時間くらいかけて書かれているものですか?